お片付けが楽しくなる能力を伸ばす【博物学的知能で整理整頓する子ども】

  • いつも出しっぱなし、散らかしっぱなしのわが子。
  • なんでそんなに散らかすの…。
  • 子どもがお片付けをしない原因を知りたい。

そんなママパパの悩みの答えます。

この記事では、なぜ子どもがお片付けが苦手なのか、子どものどんな能力がお片付けに関係しているのかをお伝えします。

子どもが「お片付けをするようになる具体的な手法」は紹介しておりません。

「どうやるのか」ではなく「なぜなのか」に重点を置いてお話しします。

理由は、手法よりも原因を先に知ったほうがより良い手法にたどり着く可能性が上がるからです。

子どもがお片付けをするように色々仕向けたけど、あまり効果が無かった…

なんていう経験があるのではないでしょうか。

「収納箱にラベルを張る」「一時避難バスケットをつくる」など、お片付けのための工夫は様々ありますが、それはすべてひとつの手段です。

そのお片付け手法にハマる子どももいればハマらない子どももいます。

でも、お片付けをしない原因はどんな子どもでも変わりません。

まずは、その原因を理解するところから始めましょう。

また、お片付けの能力に関係するボードゲームを3つ紹介します。

お片付けに限らず、この記事で紹介するある能力を伸ばすことができ、子どもの将来の可能性を広げることができるかもしれないゲームなので、是非参考になさってみてくださいね。

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私は子どもが大勢参加するボードゲーム会に参加していた際、ボードゲームを遊んだ子どもが、そのまま散らかしっぱなしでいることに強い問題意識を持っていました。

「片付けなさい!」などと怒ると一旦は片付けるのですが、それは一時的で、
次のボードゲームを遊んだ後はまた繰り返し散らかしてしまい、お片付けをせずに次の遊びをしようとする。

どうしたものか…と思い、悩んでいた時期があったんですね。

  • 収納する箱に内容物を書く(ラベリング)
  • お片付けがちゃんとできたらおやつをあげる(ご褒美)
  • お片付けをしなかった子を見つけたら、次の会に来られない(ペナルティ)

色々試したのですが、どれも効果があまりありませんでした。

そこで、どうやって片付けさせるか、ではなく、なぜ片付けないんだろうということを真剣に考えはじめました。

突き詰めて考え、そこで得た答えを紹介いたします。

是非ご参考になさってください。

お片付けをしない理由は「分からない」と「楽しくない」

結論を先に言うと、コレです。

  • 片付ける意味が分からない
  • 片付けが楽しくない

順番に見ていきましょう。

片付ける意味が分からない

あるとき、ボードゲーム会に参加していた5歳の男の子が、さっきまで遊んでいたボードゲームを一生懸命お片付けしていたのを見かけました。
一緒に遊んでいたほかの子達は、お片付けせずに違うテーブルに行ってしまっているのに、です。
私は驚きつつ嬉しくなって、

「ちゃんとお片付け出来て偉いねえ。なんでお片付けしてくれているのかな?」

と聞いてみました。すると、

「このゲームだいすきだから」

という答えが返ってきました。

お片付けの本質は、「ものを大切にする」

なぜお片付けをするのか、という問いに対し、大人はこう答えます。

  • 「出しっぱなしだと汚いでしょ」
  • 「踏みつけて壊しちゃうかもしれないよ」

お片付けをしない未来を想像し伝えるのですが、子どもはそれが想像できないんです。

人生の経験が少ない子どもにとって、大人の「未来の想像図」の説明では少し難しいんですね。

なぜなら、子どもは、現在、その瞬間がすべてだからです。

そこで、子どもの「今、この瞬間」にとって理解できる片付ける意味は、

「好きなものを大切にする」

ということです。

私が出会った5歳の男の子は親御さんが丁寧に伝えているのか、それを理解しているようでした。

片付ける意味を、子どもが分かる形で伝えることで初めて、子どもの行動が変わるのだと思います。

お片付けは楽しくない?

次に、お片付けへのモチベーションに注目します。

子ども達に「お片付けしようね」と促すと大抵、

  • 「いやだ!」
  • 「まだ遊ぶの!」

などと返ってきます。

しかし、様子を見ていると違うボードゲームが気になって、そちらに行ってしまいます。

結果、散らかしっぱなしの状態になってしまう。

そんな状況を100回以上経験してきました。

そこで私は子どもをよく観察することにしました。

よく観察すると、子ども達の言動や態度からお片付けは2つの意味で楽しくないのだと気づきました。

  • 楽しい時間が終わりに向かってしまう「楽しくない」
  • お片付けそのものが面倒くさい「楽しくない」

終わりに向かう「楽しくない」

ボードゲームを終えた直後の、楽しい、嬉しい、という幸福感が湧き上がっている状態。

そんな状況で、さあ、片づけよう、という気持ちに切り替えることができないんですね。

この心理はボードゲームに限らず、おもちゃや本など、遊んでいる物全てに当てはまると思います。

自らの手で、自分の楽しい気持ちを終わらせることができない。
大人から「片付けなさい」といわれることは「楽しい気持ちを終わらせなさい」と言われているのと一緒。

そんな状況なのだと思います、

こんな時は、無理せず「楽しい気持ち」が落ち着いてからお片付けするよう誘導してあげるといいのかもしれません。

私の場合ですが、ボードゲーム会の子ども達に「後で片付けるんだよ」ということを伝え、しばらく経った後にもう一度「お片付けしようね」と伝えると片づけ始める子どもが多くなってきました。

散らかしっぱなしでは危険だったり、失くしてしまってはいけないものの場合はそれを伝えて、片付けてもらうしかありませんが…。

待てるときは、待ってあげるのが良いのかなと考えています。

お片付けそのものが「楽しくない」

お片付けがつまらない、面倒だと思っている子どもがすごく多いです。

「お片付けしよう?」
「めんどくさい…」
という問答は何度も繰り返しました…

当たり前の話なのですが、大人でもお片付けを楽しんでいる人ってそんなに多くは無いですよね。

私もかなり苦手なほうです。

でも、こんな経験をしたことがあるのではないでしょうか?

あまりに散らかっている部屋を見て、しょうがない、片づけるか、とお片付けを始める。
少しずつ片付いていく部屋を見ていくと、だんだんやる気が出てくる。
ここもきれいにしよう、ここも整理しよう。
最初は億劫だった気持ちが、いつの間にか晴れやかになっていく。

なぜ、片付けを始める前は楽しくない気持ちが、段々と楽しくなっていたのか。

様々な見方があるのですが、ここでは人間の知能の切り口で考察します。

このブログで注目している多重知能理論における8つの知能領域の一つ、博物学的知能が、この楽しさに貢献していると考えます。

博物学的知能とは

一言でいうと、「分類する」能力のことです。

物事を要素でくくったり、関連付けを行ったりすることで仕分け、分類します。

物事だけでなく、情報も含めて分類し、再利用しやすくしたり、理解しやすくしたりします。

博物学的知能が高いと、以下のような人となります。

  • 整理整頓が上手い
  • 違う分野の物事や情報をすぐに結びつけることができる=応用力がある
  • 自分なりの視点で軸を持ち、事物や情報を評価出来る

お片付けには博物学的知能が発揮されている

お片付けを分解すると、

  • 整理
  • 整頓

です。

この整理の部分は、

  • いらないものといるものを分類する
  • 物の種類や使い方で分類する
  • 収納場所を分ける

という3種類に分解できます。

つまり整理は、博物学的知能が発揮される分類活動なんですね。

博物学的知能が発揮され、上手く整理できると非常に高い満足感を得ます。

人は自分自身の知能が有効に活用されている瞬間、快感を得ます。

これが、「楽しくなかったお片付けがだんだんと楽しくなってくる」の正体なんですね。

つまり、「お片付けがめんどくさい…」と言っている子どもは、

博物学的知能をうまく引き出してあげることで、

「お片付けが楽しい!」に変えることができる可能性があります。

お片付けそのもので楽しさを感じるのがハードルが高いのならば、ボードゲームでそれを補うのがオススメです。

博物学的知能を活かすボードゲーム3選

このボードゲームをすれば、お片付けができるようになる!と言い切ることはできません。

ただ、「物事の分類」の面白さ、そのエッセンスに触れることができます。

他の人の分類軸に触れたり、自分自身の意外な仕分け能力に気付いたり。

そういった、遊びを通した「博物学的知能」への理解が可能となります。

その気付きから、お片付けにも応用できる可能性があると信じ、博物学的知能を活かすボードゲームを3つ紹介します。

適当なカンケイ

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11枚提示された絵をペアで関係性を決めて、それが他プレイヤーと合致していればいる程得点が伸びるゲームです。

ほとんど関係がなさそうな絵同士の関係性を考え、分類するのが面白いです。

何よりその分類が他の人と同じだった時の嬉しさは感激ものですよ。

他の人の意外な分類の仕方を知ることができて、それもまた面白みの一つです。

ファウナ

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マニアックな動物たちの、生息地や身長体重などを当てるゲームです。世界地図とスケールの描かれたボード上に、コマを置いて回答します。

ほとんど見たことも聞いたことのない動物たちばかりなのですが、見た目や少しばかりの公開情報をもとに「この辺に住んでいるのかな…」「このくらいの大きさかな…」などと推測していきます。

自分が持っている知識と、与えられた情報を組み合わせて答えを導き出すさまは、まさに博物学的知識を活用し、育みます。

なんてったってホノルル

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世界の地名カードを東西南北の正しい順に並べていくボードゲームです。

世界の地理感覚が勝敗を分けます。でも地理が苦手だったら、はったりで運を試しましょう。正しくカードを置いたとみんなが思い込んでいるかぎり、正解かどうかは関係ないのです。

なんとなく頭の中にある世界地図と、引いた地名カードの経度緯度情報を組み合わせて正解を推察します。

まとめ:物を大切にする気持ちと、分類する楽しさを伝えよう。

いかがだったでしょうか。

  • 好きな物を大切にする気持ちを持つ
  • 分類すること自体が楽しいことに気付く

この二つが、お片付けする子どもに必要なことだったんですね。

特に、分類する楽しさはボードゲームを通した体験で補完することができます。

ボードゲームで楽しんだ後は、ご家族やご友人を交えて、お子さんとお片付けについてじっくり話してみてください。

お子さんのお片付けに向かう気持ちが、少しでも前向きになることを願っています。

参考
https://www.jstage.jst.go.jp/article/pamjaep/55/0/55_S40/_article/-char/ja/

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