サイコロを振って、出た色のおさかなを進めよう。釣り人の色が出ると、船が前進。
おさかなと釣り船の追いかけっこが楽しい、簡単すごろくゲームです。
ボードゲームに初めて触れる2歳くらいのお子さんがいるご家庭におすすめです。
この記事を書いた人

ボドパパです。
ボードゲーム歴は15年以上になります。
- 妻・長男(3)・長女(0)との4人暮らし
- 職業:会社員、政策秘書
- ボードゲーム所持数:150個程度
- ボードゲーム経験数:1500個以上
地域のサークル活動で、4歳~15歳の子ども達にボードゲームを10年以上教えてきました。
子ども達が、その目を輝かせながらボードゲームに凝縮された社会性やコミュニケーションのエッセンスを味わい、自分の得意な能力を爆発させ、好きなことに没頭している姿をずっと見守ってきました。
子どもたちの未来を照らすボードゲームの教育的価値をまとめ、ブログで発信しています。
【おさかなクン】のスペック
名称 | Tempo, kleine Fische!(和名:おさかなクン) |
作者 | Guenter Burkhardt |
時間 | 5分 |
人数 | 2人~6人 |
年齢 | 3歳~7歳(2歳頃からでも遊べます) |
版元 | ラベンスバーガー(ドイツ) |
難易度 | ★☆☆☆☆(超易しい) |
テーマ&メカニクス
【おさかなクン】 のテーマとゲームメカニクスを解説します。
【おさかなクン】のテーマ
釣りです。
お魚たちは川下へ逃げていきます。釣り人はそれを追いかけます。追いかけっこの要素も含まれていますね。
コラム:釣りをするのに国家資格が必要?!
「おさかなクン」が生まれたドイツでは、釣りをするためには、なんと国家試験に合格し免許を取得する必要があります。
多くの国では、釣りは誰もが親しめるレジャーですが、ドイツの場合はどちらかというとハンティングに近いのかもしれません。無免許で釣りをしているのが見つかると、罪に問われることになるなんてびっくりですよね。


【おさかなクン】のメカニクス
一方通行のすごろくです。お魚も釣り船も川下に向かって進みます。
- ダイスロール
- 運要素のみ
【おさかなクン】の内容物


内容物 | 個数 |
---|---|
釣り船付き川上ボード | 1 |
川タイル | 10 |
お魚スタートタイル | 11 |
川下ボード | 1 |
色サイコロ※ | 1 |
説明書 | 1 |
【おさかなクン】のルール
【おさかなクン】のルールを解説します。
勝利条件&終了条件
勝利条件 | チーム戦 お魚チームvs釣り人チーム 川下に逃げ切ったお魚と釣ったお魚の数を比較 逃げ切ったお魚が多ければお魚チームの勝ち 釣ったお魚が多ければ釣り人チームの勝ち |
終了条件 | 全てのお魚が、逃げ切るか釣られたとき |
基本的な手順
まず、自分がお魚チームで遊ぶか、釣り人チームで遊ぶかを決めます。
自分の番になったら、基本的に以下の手順を繰り返していきます。
順番に、色を示すサイコロを振ります。


サイコロの色は、赤・緑・黄・青・ピンク・オレンジの6色です。
出た目の色のお魚を、川下に向かって1タイル分進めます。




釣り船を1タイル分、川下へ進めます。




釣り船がお魚が乗るタイルに追いついた場合、そのお魚は釣られます。




お魚が釣られずに、川下ボードに到達した場合、お魚は逃げ切ったことになります。


全てのお魚が、逃げ切るか釣られたとき、ゲームは終了します。
川下に逃げ切ったお魚と釣ったお魚の数を比べます。
- 逃げ切ったお魚が多ければお魚チームの勝ち
- 釣ったお魚が多ければ釣り人チームの勝ち
【おさかなクン】の楽しみどころ
子どもの楽しみどころ
子どもが楽しいと感じるポイントは2つあります。
- なりきり遊び
- チームで共有する喜び
なりきり遊び
お魚側になったらお魚になりきって、「にげろ―にげろー」と追いかけられるハラハラ感。
釣り人になったら、釣る側として「まてまてー」と追いかける躍動感。
まるで、なりきり遊びをしながら鬼ごっこを遊んでいるようです。
単純な追いかけっこではなく、サイコロの目によって次はどのような展開になるか分かりません。
それがドキドキする気持ちを膨らませます。
チームで共有する喜び


このゲームはチーム戦です。
ゲームで生まれる一喜一憂を、チーム内で共有することができます。
お魚チーム側としてお魚が逃げ切り、嬉しいとき。
釣り人チーム側として、お魚をすべて釣り上げたときの達成感。
逆に、逃げ切られたり、釣りあげられたりしてしまい、その悔しさも共有する大切な感情です。
誰かと同じ気持ちになっているという感覚は、2歳~3歳の幼少期の子どもでも感じることができるようです。
大人の楽しみどころ
このボードゲームは、振ったサイコロの出た目に従う、完全に運要素のみで構成されるゲームです。
選択や戦術の余地は無く、大人にとっては退屈なボードゲームと捉えてしまうかもしれません。
実際、対象年齢は3歳~7歳と表記しており、8歳以上の子どもにも向かないということを明確に示している珍しいボードゲームです。
大人としては、後述する「おさかなクンの教育的価値」を最大限に引き出せるよう、子どもに寄り添った遊び方に集中することが望ましいと思います。
【おさかなクン】はこうすると盛り上がる!
子どもの楽しみどころを存分に引き出してあげるよう、次の点に注力すると良いです。
なりきり遊びで盛り上げる


子どもが夢中でボードゲームに没頭していく要素に、世界観に集中する、という状態があります。
「おさかなクン」は、釣り人チームとしては船に乗って釣りに出かけるイメージですので、アウトドアの雰囲気をロールプレイしてあげると良いかと思います。
・お魚を釣って、塩焼きにして食べよう!
・今日の晩御飯、頑張って釣ろうね!
等と声掛けすると、効果的ですね。
お魚チームとしては、4尾のお魚を家族に見立てたり、お友達に見立てながら逃げる様子を演じると良いです。
・パパさかな、頑張って!もうちょっとで逃げ切れるよ!
・そんなところでゆっくりしていないで、こっちにおいで!
などと声掛けすると、自分がお魚になった気分が盛り上がり、より没入感が増すと思います。
【おさかなクン】の教育的価値
学べる範囲 | 効果 |
---|---|
得意・好きの発見 | 〇 |
お金の勉強 | – |
将来必要な力 | 〇 |
「おさかなクン」はなりきり遊びが面白いボードゲームです。
チームメイトと空想の世界を説明したり、前提を共有する中で「コミュニケーション能力」「表現力」が培われます。
別記事でコミュニケーション能力とボードゲームの親和性について解説しています、是非ご参考ください。


また、このボードゲームは、運要素しかないため非常にシンプルです。
そのため、ボードゲームの基礎要素である「順番を守る」「ルールによる手順を守る」ということに集中することができます。
これはボードゲームの中だけではなく、暮らしの中で必要な、基礎的な力ともいえると思います。
レビュー:我が家での【おさかなクン】


我が家では、息子が2歳6か月頃からおさかなクンを遊び始めました。
現在は息子と二人で遊ぶパターンが最も多いのですが、
ゲームを始める前に「おさかなであそぶ?」「つるひとであそぶ?」と相談してくれるようになりました。
大抵、パパと息子の二人とも同じ立場になります。
息子にとっては、パパとは仲間としてわーきゃー遊ぶのが楽しいようです。
盛り上げ方でも言及しましたが、なりきり遊びを思いっきり楽しんでいて、例えば釣ったお魚をさばいてお寿司をつくったり、コリラックマにあげたりして😊遊びます。
チームとの共感、なりきり遊びを楽しみながら、ボードゲームの基礎力である順番を待つことや、手順を繰り返すことを学んでいったと思います。
まとめ:【おさかなクン】は2歳~3歳の子どもの初めてのボードゲーム
2歳~3歳のお子さんがいるご家庭の、初めてのボードゲームにもってこいですね!
ボードゲームの始め方については別記事でまとめていますので、是非ご参考にしてください。


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