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子どもへの投資教育メリット・デメリット【ボードゲームで学べる投資の本質】

  • 子どもへのお金の教育は大事って聞くけど、実際どのように伝えたらいいの?
  • これからの時代、「投資」が重要なのはわかるけど、子どもにどこまで教育すればいいの?
  • そもそも、自分自身が投資ってよくわかっていない…。

そんな「お金の教育」、とりわけ「投資」についてお子さんにどう伝えるか悩んでいるママパパの悩みに答えます。

この記事を読むと、「投資」そのものの概念を改めて理解し、子どもへどのように伝えたらいいのかが分かります。

また、体験に勝る教育はありません。投資を実体験できる方法(ボードゲームや実際の投資運用の始め方)を紹介します。

是非参考にしてください。

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記事の構成

この記事の構成は以下の通りです。

  1. 改めて「投資」とは何かを解説します。
    株や投資信託への投資だけではない、広い意味での「投資」の全体像をつかみます。
  2. 投資について子どもに伝えるメリット・デメリットをまとめます。
  3. 子どもへ投資について興味が持ってもらえるように、投資を体験できるボードゲームを紹介します。
    また、ママパパが投資を実際にしている姿を見せることで、家庭内でのお金の教育に説得力を持たせることができます。

前置き:マルチビジネスや悪徳商法に注意ください

近年、「金融リテラシー向上」や「お金の教育」を謳った詐欺まがいセミナーや情報商材が横行しています。

また、ボードゲームを使ったセミナーで集客し、高い金融商材や情報商材を売りつけるマルチビジネスも存在します。

一見、子どもの教育やご自身の自己啓発として有用そうに見えるのが厄介なのでご注意ください。

なお、本ブログはそのような団体・業者とは一切かかわりがありませんのでご安心ください。

投資とは「未来にまく種」

まず、投資とは何かを改めて考えましょう。

なんとなく「株」「投資信託」、近年では「暗号資産」なんかが頭に浮かんでくるでしょうか。

その上で、投資は「危ない」「リスクが高い」と考えてしまい、自分の世界と切り離して考えてきた、という方も少なくないと思います。

投資は、株などの金融商材に限った概念ではありません。その概念は非常に広くて深いです。

全体像を、まずは捉えてみましょう。

何を投資する?

まず、「何を」投資するのかを明確にしましょう。

投資するもの、は大きく分けて2種類です。

  • お金
  • 時間

お金は想像しやすいですね。

対して、時間は投資するものである、ということは忘れてしまいがちです。

特に若いうちは、時間はまるで無制限にあるような気がしてしまうんですね。

ここで、時間の投資の例を見てみましょう。

時間の投資の例

将来得るもの投資の例得るもの例
時間の削減自転車の練習移動時間を削減
収入の向上資格の勉強資格を活用して転職&年収UP
支出の削減ウォーキング将来の医療費を削減
「時間の投資」の例
  • 時間を投資し、将来の無駄な時間を削減する
    自転車に乗れるよう練習時間を投資し、移動時間を短縮する
  • 時間を投資し、将来の収入を増やす
    資格の勉強する時間を投資し、資格試験に合格する。その資格を使った有利条件による就職で、年収をあげる
  • 時間を投資し、将来の支出を減らす
    毎日ウォーキングをする時間を投資し、健康でいることで病気による医療費の支出を抑える

私たちの活動を「時間の投資」という切り口で見てみると、なぜそれをやるのかが見えてきます。

お金の投資の例

ついでに、お金の投資の例も見てみましょう

将来得るもの投資の例得るもの例
時間の削減乾燥機付き洗濯機を購入洗濯物を干す時間を削減
収入の向上マンションの一室を購入人に貸し、家賃収入を得る
支出の削減レーシックの手術を受けるコンタクトレンズ代を削減
お金の投資の例
  • お金を投資し、将来の無駄な時間を削減する
    乾燥機付き洗濯機を購入し、洗濯物を干す時間を削減する。
  • お金を投資し、将来の収入を増やす
    マンションの一室を購入し、賃貸として人に貸し、家賃収入を得る(不動産収入)
  • お金を投資し、将来の支出を減らす
    レーシックの手術を受け、コンタクトレンズの購入を止め、支出を減らす

お金よりも、時間が大事

さて、投資に対して深く理解すると、お金よりも時間の方が貴重である、と考えるようになっていきます。

どういうことでしょうか。

結論は、以下の通りです。

時間:増やせない
お金:増やせる

この違いです。

上の投資の例を見てみても、時間やお金を投資して、時間を増やす、ということは実現できていません。

出来ているのは「無駄な時間の削減」なんですね。

対して、お金は時間やお金を投資することで、増やすことができている。

考えてみれば当たり前のことですが、時間は人間の誰もが平等に所有しています。

この人の一日は30時間、この人の1日は10時間というように、人によって一日の時間はバラバラではなく、全員等しく「24時間」ですよね。

そして、その時間は増やすことができない。

お金はあらゆる手段で増やすことができますが、時間は絶対に増やせません。

これが、お金よりも時間の方が貴重である、と言われる理由です。

投資する「目的」とは

投資するものが分かったところで、今度は投資の目的に目を向けてみます。

投資の目的

人は、何のために時間やお金を投資するのでしょうか。

結論を先に言うと「将来、楽しいこと、嬉しいことを実現する」為です。

今現在の「楽しいこと」「嬉しいこと」に対して浪費、消費するのではなく、将来の「嬉しいこと」「楽しいこと」に期待して、時間やお金を掛けることなんですね。

具体例を出します。

目の前に、いちごのパック1パック498円と、いちごの苗、1株498円が売っていたとします。
パック販売の方は10粒入っています。
苗は、1か月後に30粒の収穫が見込めると店員さんは言っています。
いちごを、たくさん食べたいと思ったとき、どちらの選択肢が正解でしょうか。

答えは、イチゴの苗の購入ですね。

今すぐは食べられませんが、一か月後にいちごを沢山食べることができそうです。

苗を購入し、1か月後に育ったいちご30粒、これが投資のリターンです。

このリターンを得ることが投資の目的です。投資とは、まさに「未来にまく種」なんです。

「期間」と「リスク」を把握しよう

ただ、この時気をつけなければならないことが2つあります。

いちごが食べられるまでの期間と、いちごが本当に30粒収穫できるかです。

パック売りのいちごは、買えばすぐに食べられます。
沢山は食べられないけれど、すぐに食べられる。(これがメリットですね。)
また、パック売りのいちごは確実に10粒食べられます。

対して、いちごの苗から収穫するいちごは1か月後。
確実に30粒食べられる保証はありません。
もしかしたら、食べられるのが1か月後ではなく1か月半後になるかもしれないし、
30粒ではなく10粒しか食べられないかもしれません。
最悪、苗が枯れてしまい一粒も食べられないかも。

このように、「未来にまいた種」は刈り取るまでの期間と、刈り取れるかどうかの不確実性、つまりリスクをはらんでいます。

投資は、この期間とリスク、そしてリターンのバランスでできているんですね。

この章のまとめ:投資とは「未来にまく種」

  • 投資するものは2種類。時間とお金。
  • お金よりも、時間が大事。お金は増やせるけど、時間は増やせない。
  • 投資の目的はリターンを得ること
  • 投資には、リターンを得るまで期間がかかり、リターンが得られず損するリスクもある

投資教育のメリット・デメリット

投資とは何か、ということを改めて確認してきました。

ここからは、子どもに対して「投資」の教育をすることがどういった影響があるのか、考えていきます。

投資教育のデメリット

非常に分かりやすいから、メリットより先に投資教育のデメリットを説明してしまいますね。

結論、デメリットは、ほぼないと考えます。

しかし、唯一リスクとしてとらえているのは「労働」への意欲低下です。

投資教育は、その本質が伝えきれず「お金がお金を増やす」事だけフォーカスされてしまうことがあり得ます。

そうすると、子どもは「なんだ、働かなくても、金融投資や不動産投資をすれば暮らしていけるんだ」と思ってしまうでしょう。

これはある意味正解なのですが、この理解の前に子どもは働く楽しみ、その意義を実感しておく必要があると思います。

相手の困りごとを解決し、相手に喜ばれ、その対価として報酬を得る

働く本質を理解した上で、投資を学ぶべきかと考えます。

かといって社会人になってから投資を学ぶのは遅すぎます。

そこで、このブログでは、子どもの内に働く本質を理解できる「お小遣い運用」メソッドを紹介しています。

先にこちらを実践され、働く意味を理解してから投資教育に移行することをお勧めします。

投資教育のメリット

では本筋、メリットについて解説します。

投資教育のメリットは4つです。

  • 時間の大切さがわかる
  • 働く以外に、収入を得る方法を知る
  • 社会に関心が湧く
  • 浪費、消費と投資の違いを実感できる

それぞれ、見ていきましょう。

時間の大切さがわかる

これは投資教育を実践する中で、先にお話しした「お金よりも時間が大切である」ということが分かるという意味と、
複利の力を知るという意味があります。

投資には期間がかかるのですが、利益再投資の複利効果によりその期間が最大有効活用出来ること、投資の期間が長ければ長いほどリスクが低下することが分かります。

詳しくは別記事でまとめる予定です。

働く以外に、収入を得る方法を知る

投資教育のデメリットで説明した内容の裏返しとも言えるのですが、投資に触れずに育ったこどもは、恐らく「お金は働いて稼ぐものである」と認識します。

お金は労働収入でのみ発生する、と思い込んでしまうんですね。

実際、私たち大人は、会社員や公務員、自営業二て働くまで「投資」に触れる機会はほとんどありませんでした。

さらに、大人になっても投資に触れずに過ごしている人が非常に多いのです。

家計金融資産という指標があります。これは「日本の家計資産が貯金や株など金融資産にどのように配分されているか」を表すのですが、日本の家計資産総額約1900兆円のうち、50%以上が預貯金に回っています。

参考:日米英の家計金融資産を見る時は年金・保険等に注意!
日本で「貯蓄から投資へ」の流れを進める為に参考にすべきは、
ドイツのリースター年金かイギリスの NEST か?

https://www.am.mufg.jp/text/oshirase_190924.pdf

つまり50%以上のお金は投資に分配されておらず、ゆうちょや銀行に眠っています。「労働して得た収入を預貯金する」というスタイルの人がいかに多いか分かります。

労働収入と、不労所得

この二つを知って、やっと資本主義社会の「収入のルール」を知ることになります。

子どもの内から、将来社会に出た時にルールの半分しか知らなかった、ということが無いように、しっかり学んでいくべきと思います。

社会に関心が湧く

投資教育を通して、社会はどのような構造なのかを目の当たりにすることになります。

さらに、投資対象が自分事のように思えるようになり、自ら社会の出来事に対し監視を持てるようになるんです。

例えば、株式投資を例にとってみましょう。

トミカが大好きな小学3年生の男の子。
お父さんと一緒に投資教育の真っ最中です。
男の子は自分が大好きなおもちゃを作ってくれている「タカラトミー」の株を買うことにしました。
始めは、株主優待でもらえるトミカの限定品ねらいでした。
お父さんが株は株主優待だけではなく、配当金が支払われたり、株価が変動していることを教えてくれました。
「ふーん…」と、あまり実感が湧かない中、
ある日、ニュースでトミカの新商品が大ヒットを記録していることが報道されていました。
その後、株価は急上昇。増配も期待できるとのことです。
男の子は、新商品のヒットという社会の出来事と、それを販売している会社の株価が連動していることを知ります。

このように、元々子どもが興味があることと紐付けて投資教育を行うことで、実感を持った「社会構造の理解」が叶います。

ポイントは、「元々興味があること」とくっつけることです。

浪費・消費と、投資の違いを実感できる

お金の使い方は3種類あります。

浪費、消費、投資です。

優劣はないのですが、自分は浪費しているのか、これは投資なのか、ということを意識してお金を使うことが、「お金を使って得る価値」を最大化させます。

浪費や消費だけしている子どもは、比較対象が無いのでそのお金の使い方が浪費や消費であることを意識できません。

投資、という使い方を知ることで、逆に浪費や消費を意識できる訳なんです。

この章のまとめ:投資教育のメリット・デメリット

投資のデメリットは労働意欲が低下すること。それを防ぐには、投資教育より先に働く本質を教える必要がある。

投資教育のメリットは

  • 時間の大切さがわかる
  • 働く以外に収入を得る方法を知る
  • 社会に関心が湧く
  • 浪費・消費と投資の違いを実感できる。

投資教育に最適なボードゲーム3選

それでは、具体的な投資教育に最適なボードゲームを3つ紹介します。

これらのボードゲームは、株や不動産の投資技術に直結してはいません。「投資をすればリターンを得ることができる」「投資には期間がかかリ、リスクもある」という投資そのものの基本的な概念を学ぶことができるんです。

ボードゲームを通して楽しく投資の基礎を学び、その後、本当の投資体験を積んでいくことをお勧めします。

それでは、紹介します。

マンハッタン

[itemlink post_id=”895″]

お金の概念がない経済ゲーム。

世界の各都市に自分のビルを建て、自分色に染まった摩天楼の数によって得られる点を競うゲームです。

投資のリスクとリターンをお金を使わずにここまで美しく表現できているボードゲームは類を見ません。

投資を続けるべきか、撤退して別のエリアにビルを建てるべきか。

投資教育にオススメなボードゲーム最有力です。

ロストシティ

[itemlink post_id=”897″]

冒険家となって5か所の遺跡を冒険する二人用のカードゲームです。

ただ、各遺跡ごとに「冒険に行く」と決めると、定額のコストがかかってしいまいます。

探検が可能な残り時間(山札の残枚数)をにらみながら、遺跡探検コストよりも、リターン(勝利点)が多いかどうかを判断するのがこのボードゲームの肝です。

投資教育において意外と重要な「まずやってみる」練習にもなる、一歩踏み出す勇気を与えてくれるゲームです。

モダンアート

[itemlink post_id=”899″]

有名な絵画のオークションが開催されます。

資産家の皆さんは、投資対象として絵画を競り落とし、価値が上がったときに売り切ります。

様々なオークション方法を制し、最も稼ぐことができるのは誰でしょうか?

このゲームは絵画カードの価値を先読みし、投資すべきか、そうでないかをオークションごとに毎回判断します。

他のプレイヤーの思考を読み、未来の相場観を想定する練習になるでしょう。

実際にママパパが投資をしてみよう

ボードゲームで投資の基礎が分かったら、次は「実際にやってみる」のが良いと思います。

投資する対象には様々ありますが、子どもにとって最初は最もポピュラーな株式、または投資信託で実践することをお勧めします。

…と、その前に、実はママパパが証券取引の経験がないと、子どもに対して説得力が無いですよね。

何より、ママパパもまずはやってみる、その上で子ども達と一緒に学んでいく姿勢が家族の成長を後押しするはずです。

かくいう私も、始めて証券取引をしたのは子どもができてからです。

その体験談と、証券口座の開き方をまとめている記事を作成予定です。

まとめ:投資教育はボードゲームで基礎を、その後は実践あるのみ。

いかがだったでしょうか。

投資教育の意義、メリット、デメリットをご理解いただけたかと思います。

また、投資教育にオススメなボードゲームを3つ紹介しました。

さらに実際の投資運用を家族で始めることで、子どもだけでなくママパパの金融リテラシーも向上することと思います。

是非、チャレンジしてみてくださいね。

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