【重要】子どものやりたいことの見つけ方:後編【自己理解って難しい】

  • 怒っている子どもに「なんで怒っているの?」と聞いても明確な答えが返ってこない。
  • 何を食べたいか、どこに行きたいか、と聞いても、「どこでもいい」という返答。
  • うちの子って、一体何を考えているの…?

そんな、子どもが考えていることが分からなくて大変な思いをしているママパパの悩みに答えます。

解決策は「自己理解」への理解

まず「自分の考えや気持ちを理解するのは難しいことなんだ」という前提を認識するだけで、

ママパパの悩みの大半が無くなります。

次に、ママパパ自身が、自分のことを理解する「自己理解」を意識することで、

子供がそれに反応し、真似するようになります。

そして、子供と接するとき、子供の自己理解を促す発言を心がけることによって、

段々と子供が自分の考えや気持ちを説明してくれるようになります。

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提案の根拠

この記事は、八木仁平さんの著書「世界一わかりやすいやりたいことの見つけ方」と

ハーバード大学のハワードガートナー教授の「多重知能理論」に基づいてまとめています。

また私自身、地域のボードゲームサークルで3歳~15歳くらいの子供たちと触れ合う中での経験をもとに

執筆しています。

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目次

1)「自己理解」への理解を深める

2)自己理解の分類

3)子育てに自己理解を活用する

4)内省知能を育むボードゲーム(体験談あり)

それでは早速行きましょう!

「自己理解」への理解を深める

自分の事って、意外と分からない

自己理解」という言葉の意味はなんとなく分かりますよね。

でも、この言葉は、実はとっても深いんです。

これを理解することで、子供が自分の感情や意思を表現できない理由が分かり、ママパパのストレスが激減すると思います。

では、結論を先に言ってしまいますと、

自己理解とは、内省知能という人間が持つ知能の一種を使って、自分自身を正確に把握すること

なんです。

ここでいう知能とは、論理的思考力や言語力等の、

いわゆるIQと並列な関係にある人間の知的活動における特性のことです。

何が言いたいかというと、論理的思考力の強弱によって算数が得意な子や、不得意な子がいるように、

内省知能の強弱によって自己理解が得意な子や不得意な子がいるんです。

これがしたい、あれがしたい
これが欲しい、これはいらない
さっきこういわれたから怒ったの
昨日、こんなことがあってうれしかったんだ

こんな風に、自分自身の感情を自然に話せる子供は、もともと内省知能が高いんです。

でもこんな子供はほとんどいません。

ガートナー教授によれば、多重知能理論で語られている8つの知能のうち、

この内省知能がもともと高い人は非常に少ないということなんです。

ほとんどの人が後天的に内省知能を向上させていきます。

親が自己理解の難しさを理解する重要性

ここで考えたいことが、皆さんが普段「自分自身への理解」について思っていることです。

「意外と自分のことって、分からないもんだよね」
「人から言われて、自分の気持ちに気づくことってあるよね」

という言葉、何度となく聞いたこと、または話したことがあるんじゃないでしょうか。

自己理解が難しいことって、潜在的に、うっすら分かっているんだと思うんです。

でも、こんな風にも思っているのではないでしょうか。

「この子、いつも何でもいい、って言っている。なんで自分で決められないのかな。」
「うちの子は怒ったら無口になっちゃう。なんで怒ったのか教えてくれないと分からないじゃないか。」

子供たちも、必死で自分の気持ちを探しているんだと思うんです。

でもなかなか見つからない。

ママパパから聞かれて、答えられない自分がだんだん嫌になる。

そういうことが起こってしまっているんだと思うんです。

よって私は、

ママパパが、自己理解の難しさを理解することがこの問題解決の出発点だと思いました。

自己理解は、誰しもが簡単にできることじゃない。

まずはここから、始めてみたいんです。

自己理解の分類

自己理解って、ぼんやりした言葉ですよね。
この記事では、大枠を分類することで輪郭をはっきりさせようと思います。

自己理解は、3つに分けられます。

  • 内省
  • 価値観
  • 感情

それぞれ簡単に説明します。

内省とは

先述した、「内省知能」による認識能力のことです。(専門用語でメタ認識なんて呼ばれたりします)

自分の事を正確に理解し、行動できる知能の事です。

自己理解という意味では、自分の内省知能は他の人と比べて高いか低いか、または過去の自分と比べて高いか低いか。

ここを認識できているかということです。

ちょっと難しい話ですが、「自分の内省知能は前の自分と比べて高くなってきたな」と思えるようになったら自分への客観視ができるようになっていて、

本当に内省知能が向上していると言えます。

多重知能理論について詳しく知りたい方はこちらがおすすめです。

価値観とは

自分が生きていく上で大切にしていることです。

実現したい目標もこれに当てはまります。

例えば、

「周りの人が常に笑顔でいてくれるように気を配りたい」

とか

「歴史に名を残すような成果をあげたい」

などです。

価値観は知能と違って、成長過程で後天的に形成されるものであり、子供のうちは全く定まっていないことが大半だと思います。

意外と大人でも「わたしが大切にしている価値観は○○です」と説明できる人は少ないのではないでしょうか。

感情とは

自分自身の喜怒哀楽の理由を説明できることです。

なんで自分は今イライラしているのか。
涙が出た理由は何なのか。

これを説明できると、自分の感情に対する理解出来ていることになります。

感情への理解は価値観と密接につながっており、価値観が揺るがされることがあると、感情も連鎖し揺らぎます。

ここまで簡単に自己理解を分類しました。

その上で、毎日の子育ての中でどのように活用するかを考えます。

子育てに自己理解を活用する

子どもとのコミュニケーション

何度も言っている通り、自己理解は難しいんです。
子どもにとって、超難関な課題です。

子どもはそれに気づいておらず、自分の事が分からない自分を責めてしまっているかもしれません。

私のアイデアとしては、まずは「自分の事を分かることって、超難関なんだよ」ということを子供にも伝えてあげたらいいと思います。

そうすることで、2つ良いことがあります。

  1. その事実を分かることで自己理解のスタートラインに立てること
  2. ママパパが、「自分の悩みを理解してくれている」という安心感を与えられること

子供が自分自身への理解を進めるために重要なコミュニケーションだと思うので、実践してみてはいかがでしょうか。

パートナーとのコミュニケーション

パートナーと生活するうえで、すれ違いや摩擦は必ず起こることだと思うんですよね。

ケンカになったり、もやもやしたり。

そんな時、自己理解を思い出してみてください。

二人で時間を取り、自分の価値観や感情として、どこに違和感があるのかをパートナーと共有する。

そうすることで、自分自身への理解も深まるし、パートナーへの理解も深まります。

さらに、そんな二人の姿を子供に見せるのもいい効果があると思います。

子供にとって、自己理解を実践している親の姿は、良いお手本になるはずです。

また「人それぞれ感情や価値観があり、共有しあえばすり合わせることができる」ということを示すことができます。

感情的になり過ぎるケンカは子どもにとって悪影響だと思いますが、落ち着いた後の話し合いの様子は子どもに見せてもよいのではないかなと考えています。

内省知能を育むボードゲーム(体験談あり)

ボードゲームは内省知能を使う

ここまで、自己理解とは何なのか、ということを深堀りしてきました。

最後に、内省知能の発達にボードゲームが有効であるというお話をします。

内省知能の発達機会は非常に少ないのですが、ボードゲームでその機会を設けることができるんです。

なぜかというと、内省知能は自身のアウトプットを客観視することで発達していくからです。

その機会が多ければ多いほど、自分自身のアウトプットを見つめなおす回数が増え、自分の事を捉える精度は向上していきます。

ボードゲームをすると、多様な角度からアウトプットをすることになります。

  • 絵を見て、それに名前をつける
  • リスクを伴う選択をするかしないか判断する
  • ちょっとした演技をしてみる

ボードゲームのルールの枠の中で、普段とは違う体験を通して「自分を理解する」瞬間が沢山あるんです。

私は地域サークルのボードゲーム会で、子どもたちにボードゲームを教えてきた中で、

子どもたちが「自分を発見する」瞬間を幾度となく見てきました。

体験談:自己理解の過程を見た!

その日は小学2年生の女の子がいました。

その子は、お話がとても上手で、その大人っぽい口調から周りの大人を驚かせていました。

その子を含めて、子供と大人が入り混じって「スパイフォール」というボードゲームをしました。

このゲームは、一人スパイが潜り込んでいて会話からスパイをあぶりだす、というルールなんです。

会話をしていくうちに、だんだんとその女の子がスパイじゃないか?という風に話がまとまってきたんです。

女の子は頑張って否定し続けますが、時間切れ。

全員で投票し、結局その子がスパイだったことが分かりました。

その瞬間。

女の子は泣き崩れ、部屋を出て行ってしまいました。

私は、彼女の普段の態度からは考えられない変化ぶりに驚きながら、追いかけて、なだめながら部屋に戻りました。

段々と落ち着いて来て、話を聞きました。

すると、驚くべき答えが返ってきたんです。

  • 「なんでか分からないけど、すごく気まずい気持ちになった。」
  • 「もしかしたら、うまくスパイができない自分のせいでみんながつまんなくなっちゃうと思ったのかも」
  • 「みんながつまらないと思うのが、一番いや。みんなが笑っててほしい」

おませさん、と思われていた彼女の本当の想いを聞いたとき、あ、これってすごいことだなと思ったんです。

  • 自分自身の行動を、頑張って説明している、内省
  • 自分の感情を理解しようとしている
  • こうしたかった、という自分の価値観を、あとから追跡している

彼女は、この瞬間にとても成長していたのだと思います。

まとめ:自己理解って、難しい。でも、とても大切。

いかがでしたでしょうか。

「自分の事って意外とわからない」という理由として「自己理解」が内省知能という特別な知能を使った活動だということを紹介しました。

また、自己理解を理解し、それを活用することで、子育ての悩みはぐっと減るということ、

それどころか、ママパパ自身も、子供も、一緒に成長していくことができることをご説明しました。

自己理解の重要性を知ることで、少しでも多くのご家庭で楽しい子育てライフが送れますことを願っています。

ここまで読んでいただいた方は、こちらもおすすめです。

是非、ご一読ください。

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